サッカーにおけるビルドアップとは?意味や重要性を解説

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現代サッカーでは「ビルドアップ」という用語をよく目にしますよね。

専門的な雑誌以外にも地上波放送ですらこの用語が頻繁に使われるようになって久しいです。

ではこのビルドアップとはサッカーにおいてどのような意味を持つ言葉になっているのでしょうか?またはなぜビルドアップという言葉がここまで重要なのか?

この記事ではサッカーのビルドアップについて解説していきたいと思います。

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ビルドアップとは?

ビルドアップ(build up)英語で「築き上げる」、「確立する」、「建築する」といった意味の言葉になります。

サッカー界では一般的に「攻撃の組み立て」のことをビルドアップと表現しています。

主に自陣最終ラインであるゴールキーパーやディフェンダー、下がってきた守備的ミッドフィルダーがパス交換やドリブルでの前進を交えて全体のラインを押し上げ、ベストな形で前線の選手たちまでボールを運んでいく「過程」のプレーを指します。

ビルドアップがなぜ重要なのか?

冒頭の通り現代サッカーにおいてビルドアップで攻撃の起点を構築していくプレーは非常に重要です。

現代サッカーにおいて守備戦術がよりタイトに進化していき、バイタルエリアのスペースが狭くなっていく中でゲームメイクの起点はトップ下から守備的ミッドフィルダー、現在ではセンターバックにまで位置が降りてきています。

したがって前線にいる攻撃的ミッドフィルダーやフォワードに適切な形でボールを渡すには最終ラインから相手のゴール前での効率を考え、ゴールのシチュエーションから逆算しながらゲームの起点を作ることが重要なのです。

特にパスを繋いでポゼッションを重視しながら試合を進めるポゼッションサッカーでは極めて重要な要素で、バルセロナ黄金期を築いたジョゼップ・グアルディオラが「攻撃の流れが悪いからセンターバックを交代した」と大昔の感覚なら意味不明の発言をしたことも有名ですよね。

如何に現代サッカーにおいてディフェンスラインからのビルドアップが攻撃の効率に関わるかを示している言葉と言えるでしょう。

ちなみにそのグアルディオラが率いたバルセロナ、または指導歴のあるバイエルン・ミュンヘンやマンチェスター・シティのビルドアップは究極的です。

まず自チームのゴールキーパーがボールをキャッチしたら、センターバックの2枚がペナルティエリアの外側一杯に開き、アンカーがその間に降り、両サイドバックがポジションを上げてビルドアップを行います。

このフォーメーションにより多くの選手を中盤より前に送り込み、あらゆる場面で数的優位を作って試合を優位に進めるわけです。

ペップの薫陶を受けた指導者も続々と似たようなビルドアップを実践していますね。

ビルドアップに必須な選手の能力は?

パススキルと視野

ただしこのビルドアップを効率的に上手く成立させるには選手に高い複数の能力が求められます。

まずは「パスの精度と視野の広さ」です。

ビルドアップは基本的にセンターバックを起点として行われるため、適切にパス回しまたは縦パスを入れられるディフェンダーのパススキルは必須です。

その時々でベストのスペースやフリーの選手探し、その先の展開まで予想してパスを出せる視野も必要ですね。

相手もビルドアップの瞬間を狙って高い位置でボールをかっさらおうとしてくるのでそれをきちんと捌く技術の高さが必要です。

この足元の技術は何もディフェンダーだけでなく、最近ではゴールキーパーにも要求されるようになっていますね。バックパスでやり直す時にかなりの数ボールタッチをしなければならないからです。

マンチェスター・シティにビルドアップの鬼グアルディオラが就任した際は足元に不安のあるイングランド代表GKジョー・ハートを慈悲なくあっという間に冷遇し、バルセロナから技術の高いクラウディオ・ブラーボを獲得したのは印象的なエピソードです。

運ぶドリブル

またビルドアップでは適宜ドリブルでボールを前に運んでいくことも大事です。

パスのみでは相手にコースを簡単に読まれてしまいますよね。

そこで少しでも自身の前方にスペースがあり、かつリスクが少なさそうな時は自分でボールを持ってドリブルし、ラインを前に押し上げるようなプレーも大事になってきます。

ディフェンダーがドリブルすることによって相手のフォーメーションもまた動きますのでさらにスペースができ、ボール回しがスムーズになります。

スペースを作るオフザボール

またボールを持っている選手だけでなく、ボールを持っていない選手の動きも非常に重要ですね。

ビルドアップは上記の通りショートパスメインで試合を組み立てていく過程ですが、上手くボールを回すにはその前後左右でボールを受ける選手がパスコースをしっかり作ってあげる必要があります。

よくボール回しにおいては「三角形」を作ることが重要だと言われますが、適切なフリースペースに顔を出し、適切な距離感でボールを受けてギャップを創り出すことが大事ですね。

現代サッカーで最重要なビルドアップ

上記の通りビルドアップは前線のスペースが狭い現代サッカーでは最も重要なプレーと言っても過言ではないでしょう。

ビルドアップの精度で攻撃の効率がまるで違ってしまいます。

センターバックはおろかゴールキーパーにまで足元の技術が要求されるので選手は大変な時代になったと思いますが、ビルドアップの精度ややり方に注目すると現代サッカーの楽しさ、難しさを体感できると思います。

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