サッカーにおいてゴールキーパーとはチームの最後方を守る最後の砦です。
そのキーパーは様々なテクニックを用いて相手のシュート及びクロスボールなどを防ぐわけですが、中でも重要なテクニックとして「パンチング」があります。
この記事ではゴールキーパーにおけるパンチングの重要性、そしてなぜキャッチではなくパンチングを選ぶのかなどを解説していきたいと思います。
パンチングとは?
ゴールキーパーが行うパンチングというプレーはその言葉通りゴールに向かって飛んできたシュートやフィード、クロスボールなどをキャッチではなく手を「グー」にしてパンチするようにボールをペナルティボックス外に弾き返すプレーのことです。
片手で腕を目いっぱい伸ばしてパンチングすることもありますし、両手を揃えて力強く弾き返すこともあります。
また英語で握りこぶしのことを「fist」と言うので「フィスティング」と呼ばれることもありますね。
パンチングを使う場面は?
態勢が不安定な状況
パンチングはキャッチングに比べて比較的セーフティにピンチを逃れたい場面で使用される事が多いですね。
できればキーパーはキャッチングでボールを手に収めることが理想ではありますが、態勢が悪い場合はそう簡単な話ではありません。
もし不安定な態勢でキャッチングを狙いに行ってボールをこぼしてしまい(ファンブル)、近くに相手のフォワードがいれば一巻の終わりだからです。
そのため100%キャッチできると確信できない状況では基本的にパンチングで難を逃れる方がリスクが少ないですね。
特にキーパーの付近に選手が密集し、そこにロングボールが入ってくる状況つまりコーナーキックなどサイドからのセットプレーの際、キーパーもフィジカルコンタクトを受けて態勢が悪くなることが多いのでパンチングはよく見られますね。
ボールの回転が不安定な時
また仮に態勢が悪くない状況でもキャッチではなくパンチングをすることがあります。
その状況とは「ボールの回転が不安定な時」です。
プロのサッカー選手の中には30m以上離れた距離からでも強烈にカーブの掛かったミドルシュートを放ってくる選手が多くいます。ミドルレンジからの回転が掛かったシュートはキャッチが簡単ではないためパンチングで逃れることも多いですね。
またクリスティアーノ・ロナウドや本田圭佑が得意とする「無回転系」のシュートも軌道が不規則でキャッチの確実性が低いためパンチングでシュートを防ぐのが理想です。
パンチングとキャッチは判断力が試される
上記のようにパンチングは危ない場面をセーフティに防ぐために行うプレーですが、判断を間違ったり正確性を欠いてしまうとピンチになってしまいます。
2018年ロシアワールドカップの日本対セネガル戦でも、ゴールキーパーの川島永嗣が低め正面のボールをなぜかパンチングしてしまい、ゴール前に詰めていたサディオ・マネの足に当たってゴールになってしまいました。
パンチングは前方にボールを弾くプレーなので判断と弾く場所を間違えばこのようなことになってしまうという事ですね。あそこは代表チームレベルのゴールキーパーであればパンチングではなくキャッチして欲しい場面でした。
いずれにしてもキーパーがゴールを守るいくつかの手段の中で、パンチングは比較的セーフティなプレーです。しかし上記のように判断を間違えると失点にも繋がってしまうリスクがあると言えるでしょう。ゴールキーパーにとってセーブ方法の判断は腕の見せ所の一つです。