サッカーのフィールドプレーヤーポジションは大きく分けてディフェンダー、ミッドフィルダー、フォワードに分けられますが、現代ではその中でもかなり詳細にポジションが分かれています。
今回紹介するのは現代サッカーに特に重要性を増している「アンカー」というポジションです。
この記事ではアンカーとはどのようなポジションでどのような役割を果たしているのか、代表的な選手などを紹介していきたいと思います。
アンカーの位置と役割は?
サッカーにおけるアンカーポジションはミッドフィルダーの最後方、ディフェンダーの前です。
アンカーは他のセンターハーフほど走り回るわけではなく、ミッドフィルダーとセンターバックの間に立って中盤底の守備を締めたりパス回しの中心として攻撃の起点になったりします。
いわゆる「守備的ミッドフィルダー」の役割ですね。
アンカーとは「錨」を意味する英語で、まさにその言葉通りどっしりと中盤底に居座り、攻撃の芽を早めに摘み取ります。
イングランドでは「ホールディングミッドフィルダー」、スペインでは「ピボーテ」と表現することがありますね。
ピボーテは厳密に言うと少し動きが違いますが、守備的ミッドフィルダーであることには変わりません。
ちなみに日本ではアンカーやセンターハーフなどの守備的ミッドフィルダーをひとくくりにして「ボランチ」と表現することがありますが、ボランチは「ハンドル」や「舵取り」を意味するポルトガル語でどちらかというと試合をコントロールする「役割」を指す言葉であり、アンカーというポジションの位置を指す言葉の代替としては少し不適切です。
アンカーに求められる能力は?
判断力と冷静さとプレービジョン
ではアンカーのポジションにつく選手に必要な能力はどうなっているのでしょうか。
まずアンカーの選手に必要な能力は「判断力と冷静さ」です。
アンカーは上記の通り中盤の底に居座り攻撃が最終ラインに到達する前に早めに潰す守備、及びパス回しの中心となることで攻撃の起点を作る役割です。
したがってアンカーの選手には相手の攻撃がどこを通るか、誰と誰が自陣に侵入しているか、どこのスペースを優先的に埋めるべきか、前線にいる味方選手の枚数はどうか、パスをどこに出して攻めるかなどなど明確なプレービジョンを持ち、瞬間的かつ論理的にプレーを判断する必要があります。
アンカーが攻守であたふたしてしまうとチーム全体に悪影響が及んでしまいますね。
なので比較的経験豊富なベテランがアンカーに入る事も多いです。
対人守備の強さ
そしてアンカーは上記のような判断力による守備センス以外にもちろんフィジカル由来の対人守備の強さも必要になります。
アンカーの位置は丁度相手のロングボールの落下地点になりやすいですし、相手のトップ下など技術の高い選手が頻繁に侵入してきます。
したがってこれらの攻撃をストップするために強いフィジカル、身長の高さなどが必要になるわけですね。
パスセンス
中盤の底で攻撃の起点になるにはパスセンスも重要ですね。
アンカーからのパスはあくまで攻撃の起点であるため、華麗なスルーパスなどはあまり求められませんがその分「止めて蹴る」を確実にこなせる基礎パス技術が必要です。
堅実なプレーが要求されるポジションだと言えるでしょう。
アンカーで有名な選手は?
現在アンカーポジションで有名な選手はバルセロナのセルヒオ・ブスケツやマンチェスター・ユナイテッドのネマニャ・マティッチ、レアル・マドリードのカゼミロなどが挙げられるでしょう。
ブスケツはまさに「ピボーテ」の最高峰であり、中盤底でバルセロナの守備と攻撃を司る存在です。
マティッチ、カゼミロといった選手も守備の当たりの強さ、堅実なパス技術を兼ね備える選手達ですね。やはりビッグクラブにはクオリティの高いアンカーは必須の存在と言えます。
カゼミロについてはこちらのサイト記事を参照してみてください→カゼミロのプレースタイル
ちなみに日本代表だと空いたスペースに気を配り、フォーメーションの穴を埋められる長谷部誠がアンカー的なプレーを見せることがよくありますね。
現代サッカーには欠かせないアンカー
上記のように現代サッカーにおいて後方からピッチ全体を俯瞰し、攻守の起点となるアンカーというポジションは欠かせない存在です。
パスの技術やスペースを埋めるセンス、危機察知能力などテクニックと高いサッカーIQを要求されるポジションなので誰にもできるポジションではありません。
しかしアンカーの質で確実にチームのクオリティは変わるのでサッカーを観戦するときは攻守を司るアンカーの動きに注目するとより深くサッカーが楽しめるでしょう。
それでは最後にアンカーとして世界トップクラスの性能を誇るブスケツのプレー動画をシェアしてこの記事を締めたいと思います。