サッカーには様々なキックがあります。
中でも基本的なキックであり、育成年代から練習するのがインサイドキックやインフロントキックですが効果的に使えれば絶大な威力を発揮するのが「トゥーキック」と呼ばれるキックです。
この記事ではそんなトゥーキックを蹴るメリットとデメリットを紹介したいと思います。
トゥーキックとは?
トゥーキック(トーキック表記も一般的)の「トゥー」は英語で「toe」と表記し、「つま先」という意味を持ちます。
つまりサッカーにおけるトゥーキックは足の先端、つま先で蹴るキックということになります。
日本人選手はあまりトゥーキックを使用しないですが、サッカーに対して柔軟な発想を持つ南米系の選手がよく使う事で有名ですね。
トゥーキックのメリットは?
簡単に威力の高いシュートが蹴れる
それではサッカーでトゥーキックを使用するメリットを紹介していきます。
トゥーキックのメリットでまず挙げられるのが「威力が高い」という点になります。
インサイド系のキックは精度こそ高いですがしっかりと全身の動きを連動させて力を足に伝えなければ強力なシュートは打てませんよね。
その点トゥーキックは足のつま先、つまりボールを「点」で捉えて弾くように蹴るキックですのでボールの中心を捉えさえすれば簡単な足の振りだけである程度強力なシュートを蹴る事が可能なのです。
さらにボールの中心を点で突くため無回転シュートにもなりやすく不規則にボールが変化するような軌道で飛んでいく事もあります。
これもキーパーにしたら非常に厄介ですね。
モーションの予測が難しい
上記のようにトゥーキックは膝下の振りだけで放てるキックなので、モーションが極めて短いです。
したがってトゥーキックは相手ディフェンダー、ゴールキーパーからするとシュートモーションや予備動作が非常に読みにくいというメリットもあるのです。
こちらは2002年日韓ワールドカップのブラジル対トルコ戦でブラジルのロナウドが見せたトゥーキックのゴール。
ロナウドのシザースフェイントが上手いのもありますが、ディフェンダー達はトゥーキックで見事にタイミングを外されていますよね。
このタイミングで打たれるとシュートブロックはまず無理です。
またこちらは2004-2005シーズンの欧州チャンピオンズリーグ、チェルシー対バルセロナ戦でのロナウジーニョのゴールです。
ロウナウジーニョ独特の足さばきからノーステップでトゥーキックシュートを叩き込んでいます。
予想外のタイミングによるスピードの速いシュートにチェルシーの選手たちはまるで時が止まったかのように一歩も動けずゴールを許していますね。
南米系の選手は本当にトゥーキックを有効に使ってきます。
トゥーキックのデメリットは?
コントロールが困難
しかしトゥーキックは頻繁に使われるキックではありません。
インサイドキックやインフロントキックに比べてトゥーキックは非常にコントロールが難しく、狙った場所に飛ばすのが難しいというデメリットがあるためです。
そのため育成年代ではトゥーキックによるシュートを禁止しているクラブもあるほどですね。
したがってトゥーキックはピンポイントでタイミングを外したい「ここぞ」という時以外は控えた方がいいキックと言えるでしょう。
親指を痛めやすい
トゥーキックは足の親指の付け根付近に当てるような蹴り方をするキックですが、少しでもミートポイントがずれると足の親指を痛めやすいです。
サッカーは足の親指を痛めるとその後のプレークオリティが著しく落ちるのでトゥーキックを打つならしっかりとミートポイントを合わせる練習が必要になるでしょう。
上手く使えば有効なトゥーキック
上記の通りトゥーキックにはメリットとデメリット両方が存在しています。
しかし上手く使えば強力なフィニッシュパターンになる事は間違いないので重要なプレイとも言えますね。
育成年代でもいたずらに禁止するのではなく、有効な使い方と使う場面をしっかり教えるような教育をした方が有意義だと思います。